私が剣道の段位を取得しない理由を論理的に説明します。

私は小学生の頃から剣道をやっている。
高校生の時までは部活動、道場通いをしていて真面目に取り組んできた。

試合の実績としては、中学生の時に県大会の個人戦で優勝して全国大会に出場するなど、そこそこの実績を持っている。

ただ、剣道に関して、
中学生の時から腑に落ちない部分が多々あった。
それもあり、大学生以降はほとんど剣道に真面目に取り組んでいない。
#趣味としてやることはある
#剣道やること自体が嫌いではないよ

その一つが、段審査だ。

段審査の基準であったり、段審査の意義についてしっくりこない部分がある。

「しっくりこない」と駄々をこねてもあれなので、文章として論理的に説明しようと思う。

剣道の段審査の目的

財団法人全日本剣道連盟(以下「全剣連」という。)は剣道の理念および全剣連寄附行為第31条に基づき、剣道の奨励および、その向上に資する目的で、剣道の称号および段位を定め、この規則の定めるところにより、その審査を行う。

全日本剣道連盟のサイトには上記のように記載があるから、そうなのであろう。
剣道の奨励および、その向上に資するのが目的というわけだ。

審査基準

こちらも同サイトにこう記載がある。

  初段は、剣道の基本を修習し、技倆良なる者
  二段は、剣道の基本を修得し、技倆良好なる者
  三段は、剣道の基本を修錬し、技倆優なる者
  四段は、剣道の基本と応用を修熟し、技倆優良なる者
  五段は、剣道の基本と応用に錬熟し、技倆秀なる者
  六段は、剣道の精義に錬達し、技倆優秀なる者
  七段は、剣道の精義に熟達し、技倆秀逸なる者
  八段は、剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者

#精義って何
ポイントは大きく2つである。

①剣道の基本を習得・精義に熟達
#精義は「正確な意義」という意味らしい
②技術がある

「②技術がある」はわかりやすいだろう。単純に剣道がうまい・強い、くらいに考えておけば良いだろう。

「①剣道の基本を習得・精義に熟達」というのは少々解釈が必要そうだ。
剣道はしばしば剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道であると言われることがある。
その「理法」「人間形成」について習得/熟達していると考えれば良いかと思われる。
#ざっくり
#ざっくりとしか説明していない理由はこの後すぐ

全日本剣道連盟のサイトで以下のように記載がある。

段位は剣道の技術的力量を示すもの、称号はそれに加え指導力や識見などを備えた剣道人としての完成度を示すものとして、審査員選考委員会の選考に基づいて任命された審査員による審査を経て、授与されるものとしました。

https://www.kendo.or.jp/old/kendo/index.html

段位は剣道の技術的力量を示すものということでした。なので、段位は基本的には技術的力量(上述でいうと②)ということですね。

一応、剣道連盟の肩を持つ補足をすると、
先ほどから紹介しているサイトは旧サイトなので今は違う基準かもしれないです。とはいっても2020年までは旧サイトしかなかったので、最近までは上述の認識で段審査が行われていたと思われます。

試験項目

では、試験項目について見ていこう。

試験項目は、実践と、筆記です。

そして、筆記と型は事前に準備ができることもあり、練習さえすれば誰でも受かることができます。
実際、剣道を全くやったことがない人でも、1ヶ月みっちり段審査のための練習をすれば、筆記と型は受かるのではないかと思います。

ということで、実践が段審査に重要なことがわかります。

はい、ここまでは先ほどまでと話しがかみ合っています。

受審資格

受審資格には、実質的な年齢制限があります。

どういうことかというと、
・3段を取るためには、2段を取ってから2年の期間を空けないといけません。
・4段を取るためには、3段を取ってから3年の期間を空けないといけません。


初段が取れるのが14歳くらいなので、7段を取るには最も若くても35歳くらいになります。
まあ、それを妥当と考えるかどうかは人それぞれですが、しょうもないと考える人の気持ちもわかると思います。
#普通に意味わからなくない?
#なんで他の剣道家は普通に受け入れているの?

実際のところはどうなの?

私が剣道をやっていた所感としては、実際、強い人(技術的力量)が高い段位を取れている印象があります。

そういった意味では、段審査は一つの試金石になっているとも言えそうです。

と、思う一方、、

技術的力量を測るなら普通に試合で良くない?

という気持ちがあります。
#試合って技術的力量を競う場所なんじゃない?

段審査には、いわゆる”審査用の練習”というのがあり、審査に受かりやすい剣道の立ち振る舞いがあります。

先ほど、強い人が高い段位を取る傾向にある、と言いました。
強い人というのは、技術的力量があるということなので、そういった段審査用の動きも適用できるため、審査に通りやすいのだと思っています。

年齢が高い人が受かりやすい世界観

強い人が高い段位を取れることに加え、歳が高い人ほどある程度の段位まで(4段くらい)は比較的簡単に取れる傾向があります。

35歳くらいで剣道始めた人は、そんなに技術的力量がなくても取れてしまうのです。

剣道の段審査の目的である、剣道の奨励および、その向上に資するから考えると間違ってはいない気もしますが、、

年齢制限の制度との整合性的には納得感はないです。

段位は一つのステータス

多くの人がわかっているとは思いますが、段位は一つのステータスとなります。

例えば8段を持っていたら、剣道を長くやってきた証となりますし、剣道が強い証明ともなります。

自分で道場を開きたいと考える人や、肩書きとしても使えます。

そのステータスとして段位がほしい人がいるのはわかります。
そして、そのステータスほしさが、剣道の奨励・向上に繋がる面もあることもわからなくはないです。

けど、私は逆にそのちぐはぐな感じや、ステータスの一つとなる段位に対して価値を感じられませんでした。

私みたいな人も何人かはいると思うので、そういった人もいるよーという発信です。
#10人くらいしかいないかもだけど
#マイノリティは存在を無視されるのが社会の性

※ちなみに、剣道ではないですが、居合道では昇段審査で金銭の授受による不正がありましたね。

何が言いたいか

グダグダの色々と述べてきましたが、要はなんのために段位、段審査があるのかよくわからないから取らないよっていう話でした。

剣道をやっていると、道場内や部活内、剣道サークル内で、当然のように段審査を目指している人がいると思います。

そんな中にいると、段審査を受けるのが当たり前の世界観になってきます。

それはそれで良いですし、段審査を受ける人を批判することはないですが、その段審査の意義はもう一度問い返してみても良いのかな、と考えています。

ということで、お読みいただきありがとうございました。ではでは!

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